チャイナ・プラス・ワン

2016年にはベトナム国内で大規模製糸工場が続々と稼働開始する

Vinatex Nam Dinh製糸工場が稼働開始

Vinatex Nam Dinh製糸工場(ナムディン省)が稼働開始し、初出荷をおこなったというニュースが入ってきた。建設開始後ちょうど1年で稼働し、Vinatexは国内市場及び輸出市場向けに高品質の糸の供給源を擁することになった。Vinatex Nam Dinh製糸工場はVinatexが総額4650億ベトナム・ドン(2100万米ドル)投資し、生産能力は年間3万錘規模の大型製糸工場である。

これは、TPPをはじめとする各種自由貿易協定(FTA)を迎えるにあたって、原料から一貫の生産サプライチェーンを完成させるというVinatexにとっては必要不可欠な取組である。

大規模製糸工場投資案件が続々と完成

Vinatex Nam Dinh製糸工場以外にも今年稼働予定の製糸工場案件はある。Vinatexからの情報では、今後年末までに、Vinatexあるいは傘下企業が投資する大規模な製糸工場が4-5件稼働する。

生産能力3万錘を持つPhu Cuong製糸工場(ドンナイ省)もそのうちの一つで、総投資額は4650億ベトナム・ドン(2110万米ドル)。2015年2月にPhu Cuong工場集積地で起工、現在、建設はすでに完了し、試験稼働中。工場が完成すると、生産能力100%稼働時には約5000トンの高級糸をVinatex傘下の製織工場に供給し、輸出アパレル製品の生地供給が可能になる。

さらに、別の案件では、ハノイ繊維株式総会社(Hanosimex)が投資主体となって5000億ベトナム・ドン(2270万米ドル)を投じたDong Van 1製糸工場(ハナム省)がある。年間3万錘以上、5500トンの生産能力を持つ。同社Nguyen Son Hai社長によれば、2016年12月には完成する予定である。

これらのVinatexや傘下企業が投資している製糸工場案件の共通点は、建設期間がおよそ1年で、建設にかける経費と労力を大きく節約しているということだろう。

原糸輸出も拡大

ベトナム繊維産業の主力輸出製品のトップはアパレル製品で輸出金額は220億米ドルだが、各種糸も30億米ドル以上輸出している。これまでのところ、ベトナムの繊維産業はアパレルの委託加工が圧倒的だが、原糸の生産も増えてきており、輸出も伸びている。

とくに、国内企業に加え、外国直接投資企業(FDI)が製糸工場を展開すれば、糸の供給はさらに急速に拡大し、国内需要を賄え、輸出金額も急増することになる。

<紡績-製織-染色-縫製>のサプライチェーン完成が目標

Vinatexが重視しているのは、それぞれの地域内において<紡績-製織-染色-縫製>のサプライチェーンを完成させ、付加価値を向上させることで、市場の需要を満たし、FTAのチャンスを活かすことである。そのためには、現在まで供給がまったく追いついていない製織と染色の2つの工程に注力していくことが必要となる。

 

近々稼働開始するVinatexの大規模製糸工場案件
工場案件名 立地 年間生産能力
Vinatex Nam Dinh ナムディン省 4,770トン
Phu Cuong ドンナイ省 5,000トン
Dong Van 1 ハナム省 5,500トン
Thang Binh クアンナム省 4,500トン
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